オスカー君とハッチ君
- iamdiver02
- 4月29日
- 読了時間: 3分
更新日:5月1日

小さな体を丸めて寝入っているオスカー君をみていると哀れを感じるとともに私達も同じ年を取ればああなるのだなという哀愁のような気持ちも沸いてくる。
特にいぬ好きではなかった。昔、私が小さいとき両親が犬を家につれてきた。スピッツ。可愛かった。ある日学校から戻ったらいなくなっていた。世話が大変だったんだろうか?母が一言「貰った所に返してきた」と。それ以来、オーストラリアに来て結婚するまで犬を飼うことは考えもしなかった。仕事が忙しく、深夜近くになることも、週末も働くこともあり、趣味のスクーバダイビングにも情熱を燃やしていたから、犬を飼うこと等頭の隅にもなかった。
オーストラリアに来て時間がゆっくり流れるようになった。ビザは自力で取れたし、好きな人もできて結婚もした。仕事で遠距離出張が多かった旦那との生活で一人では寂しかった。犬が急に欲しくなった。庭も大きかったし近くに公園もあった広告でみて、早速、最初のワンコ、ハッチ君を迎えた。
最初のワンコ、ハッチ君は頭が良く、迷子になって5時間たってひょっこり戻ってきたこともある。甘えん坊だったが、体が弱く、病気勝ちだった。でも14歳まで一緒にいてくれた。最後は歯茎の癌で手術をし、一旦は家に戻ったけど、そのまま、虹の橋を渡ってしまった。オスカー君はハッチ君が8歳になって、周りの家が引っ越し、仲良くなったワンコやニャンコとお別れしたあと、急に元気がなくなったので、また広告で山を越えてオスカー君を迎えに行った。オスカー君はどちらかというと、受け身でおとなしく、一人が好き。スポーツが好きなワンコだ。
オスカー君は前旦那のワンコだった。彼になつき、いつも一緒にいた。離婚になって、彼が誰か友達にくれてやると言い出したとき、それなら、ハッチ君と一緒に私が世話をすると主張した。人間の世界で何が起こっていのか想像もつかないオスカー君とハッチ君は帰ってくるはずのない主人を毎日玄関に座り待っていた。
離婚後、引っ越しをして、大きな庭のお家から猫の額のようなタウンハウスへと移り、毎日2匹を連れて散歩するようになった。引っ越して1年半、ハッチ君は虹の橋をわたった。
小さい子どもを持つ母親は公園で同じ年頃の子供を持つ母親と知り合いになる。それと同じくオスカー君を通していろいろな人達と知り合うことができた。公園で、ビーチで、朝夕の散歩で。限りなく知り合いがふえた。仕事場でも、わんこを持つ人達とのはなしが進み楽しかった。
確かに、獣医だの栄養などお金がかかるし、旅行に行きたくても自由には行けないし預けるお金もなかにならない。だけど、それを上回る価値が、お金では計れないものがあると私は思う。
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